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QUESTION TALK vol.16「アートの価値観を変える挑戦~世界に対するイタズラ~」を開催しました。
第16回目となる今回のQUESTION TALKは、「アートの価値観を変える挑戦~世界に対するイタズラ~」と題しまして、熱いトークが繰り広げられました。
ゲストには月額制の絵画レンタル事業を通じてアーティスト支援をしている藤本 翔さん(株式会社Casie)とアートに精通している京都芸術大学情報デザイン学科3回生の太田 茉那さん、株式会社Casieで1か月間働いた経験を持つ京都信用金庫の進藤 勇輔さんの3名をお呼びし、モデレーターは、QUESTION運営パートナーであるNPO法人グローカル人材開発センターの山田 埜さんが務めました。
アートの印象について
藤本さんから「父親が画家だったので、子どものころの僕にとって、アートはかっこいいものではなく、反骨心の塊でした。ですが、中学生の時に美術館で美少女の絵を見た。それが印象深く、アートにハマっていった。」
太田さんは、「初めてアートに触れたのは小中学校の授業。モナリザとか有名なものを勉強したのを覚えている。絵は高価なイメージだった。」
進藤さんは、「フリーマーケットに置いてあるのを見たくらい。学校の授業では、どれだけ上手く描けるかで評価されており、良い印象ではなかった」
日本ではアートが少し遠い存在になってしまっていることについて
藤本さんは、「アートを見たときに、多くの人はお金に換算してしまう。そうではなく、絵をどう見るか、アートをどう捉えられるのかが重要です。実は、身の回りにあるものがアートだったりするんですよ」
進藤さんも「そういえば、家に子どもが幼稚園で書いてきた絵を飾っています!」
アートを普及させるには?
藤本さんは、「絵は、ココロの豊かさを与えてくれるもの。世の中にはアートを必要としている人や需要はあるんですけど、みんながやってないから、遠く感じる。アーティストも特殊な存在というイメージがありますが、誰もが人生というキャンパスに将来を描いていると考えると、みんながアーティストと言えるんです。こんなことも表現して良いんだと思う人が多くなる世の中にしたい。
アートはやってみないとわからん事ランキング上位。高価なものばかり想像してしまうが、アートとは、値段で価値を決めるものではなく、心に豊かさを与えてくれるもの。
アーティストがどういう想いで描いたのかを考えてみたり、いつもとは違った視点から絵を眺めるだけでも、グッと身近に感じることが出来る」
太田さんは、「日本は壁が壁としてしか使われていない。一つアートを飾ってみるのも良いと思います。自然と目に入ってくる環境になれば、アートって楽しいと感じるのでは??私は、アートに想いをぶつけている。それをみんなが自由に表現出来れば、コミュニケーションが豊かな世の中になると思う」
進藤さんから「僕はアートで遊んでいます。絵を見たときに、どういうタイトルなのかを当てるゲームをしている。自分の感性と作家さんの感性があっているのかを確かめることができる。これを始めてからは、絵を見たくなっている自分がいます」
とそれぞれのテーマについて熱くお話しいただきました。
その後、質疑応答の時間では、参加者の方から「登壇者にとってのイノベーションとは何ですか?」「アートとテクノロジーの融合についてどう考えるか?」「皆さんのアートに対する視点を教えて欲しい」など数多くの質問をいただきました。
それらの質問を、藤本さんはプロ目線で、太田さんは学生目線、そして進藤さんは戸惑いながらも素人目線の考え方で丁寧にお答えされました。
また、イベント終了後のアンケートの中で、普段アートに関わる機会の少ない方からは、「アートとは自由」「身近で気軽に接するもの」「自分がそれをアートだと思ったものは全てアート!」などアートとの距離が縮まったという感想を多くいただきました。
一方、普段アートに関わることの多い方からは、「そもそもアートとは敷居の高いもの、近寄りがたいものであると感じている方が多いことに驚いた」「改めて今の仕事に使命感を持たなければいけないと感じた」など互いにとって今回のイベントを通じて新たな発見があったようです。
今回参加された皆さんがアートについて考え、様々な価値観を共有できたように思いました。
また、次回の企画も是非ご参加下さい。
(文章・横山 里世子)