ARTICLES
記事
QUESTIONに関わる企業や個人にスポットを当ててご紹介する連載「Qパートナー紹介」。
“問いの交差点”QUESTIONに相談したい「問い」や、ここに集う人々と一緒に考えていきたい「問い」について紹介します。
第17回は、株式会社ジャパンディア 伊勢 司さんです。
伊勢 司さん
株式会社ジャパンディア 代表取締役10歳で初めて1ヶ月間のインド旅行を経験。旅の中で人や文化の多様化を肌で感じた事をきっかけに日本とインドを繋ぐ多彩な取り組みを展開中。これまで大切とされてきた「衣・食・住」に代わり、これからの考え方として「医・食・旅」が人々の生活の充実に繋がるとし、それらを軸に事業を展開している。インドからの旅行者をサポートするインバウンド事業、インドに進出する日系企業の交渉や通訳を請け負うアウトバウンド事業、京都市内での飲食事業の3つを柱に活動中。
#インド #インド料理 #Thilagakyoto #旅行 #文化活動コーディネート #ビジネスサポート #バンド #ベース #フットサル(サッカー) #お酒 #サウナ
インドで感じた「違い」
ーー日本とインドを繋げるお仕事をしておられますが、伊勢さんが持っている「問い」はなんでしょうか?
なぜ人と人は分かり合えないの?どうすれば分かり合えるの?が問いです。
いろんな社会課題はそもそも人が引き起こしている。人間から見た視点でしか課題を捉えていません。例えば、食料不足が課題となれば、食料を増やそうとするけど、増やし方(遺伝子組換えなど)で対立します。
なので、究極の社会課題は「人と人が分かり合えないこと、争うこと」だと思っています。
ただ全部を解決していくことはできないので、僕は日本(日本人)とインド(インド人)が「分かり合える」「繋がれる」ために今の事業を始めました。
ーーなぜその「問い」が生まれたのですか?
10歳の頃、1ヶ月間、親と一緒に初めてインドを訪れた時に、圧倒的な「違い」を感じました。それまでにも海外には行っていたので、日本と海外との「違い」は分かっていたつもりでしたが、インドに対しては想像の範疇を超えた「違い」を感じました。それは怖さであり、不安や、様々な感情を含めた「違い」でした。
インドに滞在するにつれて、国や文化の違いはもちろん、価値観の違いや、話す時の距離感が近すぎて威圧的に感じるけど、実は優しく接してくれていることなど、はじめに感じた「違い」が何なのか少しずつ理解が深まっていきました。
ある場所に行ったときに、ぼろぼろの服を着て、靴も履いていない同い年くらいの子どもに遭遇しました。やはり最初は「違い」を感じましたが、毎日その場所に行くにつれてコミュニケーションを取ることができるようになり、一見「違い」はあるけれど、人と触れ合い、コミュニケーションを取れば「違い」を感じること自体がおかしいと思うようになりました。
この経験が「問い」に繋がるのですが、世界には色んな場所に色んな考えを持った人がいるけれど、みんなお互いに「人」なんだということを理解出来たらもっといい世の中になるだろうな、と思ったんです。
インドにいったことと、その時に感じたことが、今の事業に繋がっています。
コミュニケーションこそが第1歩
ーー「問い」の解決のために、どんなことをされていますか?
ジャパンディアの事業を継続することで、「問い」の解決になればと思っています。事業内容としては大きく3つあり、1つ目は、インドと日本の中での旅行業。2つ目はコンサルティング業、3つ目が飲食業(インドレストラン)です。
コンサル業では「こうですよ」って押しつけではなく、一緒に行って、見て、考え、現場でのそれぞれの捉え方、意見を聞くなどコミュニケーションを取ることを意識しています。
実際に会って聞くと、「この温度感で言っているんだ」文章で受けた印象とは違って、「こっちの方が大事にしているんだ」みたいなことがはじめて理解できます。そうすると、私自身の発見にも繋がりますし、人と人が分かり合える第1歩になると思います。事業を通じて、「人・モノ・コト」の非対称性を解消することが「問い」の解決に繋がると思っています。
レストランからプチ異国体験を
ーー10,20年後に描くビジョンは?
現在はコロナで止まっていますが人の往来は絶対に再開すると思いますし、もっと瞬時に人と人が会えるようになっていくと思います。その時に、お互いがコミュニケーションをスムーズに取れるようサポートしたい。事業を始めたばかりですが、10年後には確実に事業規模を大きくしたいですし、その中でツールや技術的な部分は進化するでしょうけど、根本的なところで人へのサポートは必要になってくると思います。また、未来を考えたときに少しズレると思いますが、やろうとしてる取り組みとして、自身の経験から子供にいろんな可能性を提示したい。その一つとして「子供食堂」を考えています。せっかくインドレストランがあって、インド人が料理をしている場があるので、一番身近に海外を知ってもらえる場だと思う。子供たちが一番最初に海外に触れ合える場所として提供し、そこで何かを感じてもらえる。インド人シェフが料理をするところを見て違いを感じたり、その料理が美味しかったり、不味く感じても、その原体験をしてもらいたい。プチ異国体験をしてもらえる場の提供を考えています。
ーーQUESTIONと一緒にやりたいことはありますか?
いろいろな「インド」を知れる・触れ合えるイベントをQUESTIONでやりたいです。
例えば、インド料理をインド人が作るとどれくらいの種類・量のスパイスを使うかなども見て欲しいと思いますし、レシピ本とは全く違って、季節によって使うスパイスの量(種類)がごろっと変わったり、視覚的に見てて楽しいと思います。
また、インド音楽をイメージすると古典的な音楽をイメージされるかもしれませんが、ヨーロッパやアメリカ音楽のようにかっこいいDJなどもいて、音楽一つとってもすごく進んでいて、多くの人がインドに抱いている固定観念が崩れるような体験してもらいたいです。
ーー期待することは?
交流会などを企画してもらっていますが、異業種交流会みたいに事業内容の共有を目的とする交流会とかではなく、目的がないけど集まる、全く関係性のない人たちが集まる会を企画して欲しいです。その時にいい補助線を引いてもらえると、もう1歩何か楽しいことが生まれる、協業できる、そのような可能性を感じています。
(取材:木原 雛、文:天川 謙)
<パートナー概要>
組織名:株式会社ジャパンディア
Webサイト:https://japandia.jp/