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QUESTIONに関わる企業や個人にスポットを当ててご紹介する連載「Qパートナー紹介」。
“問いの交差点”QUESTIONに相談したい「問い」や、集う人々と一緒に考えていきたい「問い」について紹介します。
第11回は、株式会社 マガザンの岩崎 達也さんです。
岩崎 達也さん
1985年生まれ、兵庫県三木市出身、山田錦農家の長男。京都市在住。京都大学サービスMBA講師。京都精華大学非常勤講師。
上京しリクルートコミュニケーションズ、楽天を経て2014年京都へ移住し、ロフトワーク京都に勤務。いずれも新規事業開発ディレクターとして従事。
2016年、泊まれる雑誌マガザンキョウトをクラウドファンディングを活用し起業、編集長と町内会長を務める。雑誌の特集のようにシーズン毎に空間で様々な企画を展開。京都起業家大賞優秀賞等を受賞。同賞審査員。
100を超える様々なプロジェクトの受け皿として、2017年株式会社マガザン(旧EDIIT株式会社)を創業。ローカルカルチャーの体験を拡張する活動を続けている。
#アーティスト #泊まれる雑誌 #ローカルカルチャー #野球 #大学講師 #宿泊業
ーー岩崎さんの気になっている「問い」はなんでしょう?
そうですね。「頑張っている人はどうやったら成功するんだろう」っていう問いは、しばらく心の中にあるかもしれないです。
ーーなるほど。
ある人に「才能を見つけるのが上手いですね」って言っていただいたことがあるんです。
意識したことはなかったけれど、確かに誰も気づいてない才能とか何かに夢中になってる人とかを見つけたら嬉しいし、まだ世に知られていないからこそ上手くいって欲しいと思って一緒に企画をしたり、仕事をしたりすることが多いんですよね。マガザンキョウトで働いているスタッフもそういう対象だと思います。
京都は東京と比べても、アーティストのように想いはあっても稼ぎと両立しづらい職業の人が多い気がしていて。そういう人たちと一緒に社会接続していくことを試行錯誤しているような気がします。
出会った人たちが変わるきっかけをくれた
ーー頑張っている人を成功させたいと思うきっかけは何でしょう。
そうですね。かつて僕も足掻いた経験があったんです。幼い頃からプロ野球選手になりたいと思って、ピッチャーとしてかなり真剣に練習していたんですけど、高校生の時に怪我で投げられなくなってしまったんです。その時は、頑張ってきたのになんでこんなにうまくいかないのだろうっていう暗黒期でした。
ーーどうやって暗黒期から抜け出したのですか?
大学生活と新卒入社した会社での経験が大きかったです。大学時代には、インターンシップとか東京での一人暮らしとか留学とか、色んな人と出会って、色んな経験をさせてもらいました。「野球ができないなら何ができるんだろう」っていうのをわからないなりに片っ端から試していました。その中で支えてくれた人や、そこで出会った人たちが道標をくれた気がします。
「あなたは何がしたいんですか」という問い
ーー特に、印象に残っていることはなんでしょう?
大学卒業後、僕はやりたいことが具体的にならないまま就職したんです。とにかく幸せになって、お金ももらいたいと考えて就職先を決めているんです。だけど、最初に就職した会社では、「君はなぜここにいるのか」とか「君はどうしたいんだ」といった問いへの答えを求められる会社でした。そうすると、やっぱり考えるんです。最初は答えられなくてへこむんですけど、そういう問いに育てられたと思います。
その中でも、一番僕を育ててくれたのは、「あなたは何がしたいんですか」という問いです。この答えがないから、悔しくてずっと考えてました。
ーーずっと考えることはしんどくなかったですか?
しんどかったです。でも最近は、この問いに対してポジティブになってきた気がします。 それは、「やりたいことは、できることと分けて考えればいい」って気づいたからです。 今できてないことが否定されるわけではないし、「これがやりたくて、こういう風にしたらできる思ってるんですけど、できるかどうか分かりません」って、言えるようになったんです。「できるか分からないですけど、これがやりたいんです」っていう”excuse”ができるようになって楽になりました。
頑張っている人たちが上手くいく社会になると、幸せな人が増える
ーー考えることも大切ですが、とにかく行動することは大切ですね。
そうですね。僕は、 PDCAサイクル(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)でいうと、Do(実行)を一番大事にする癖があるんです。実行して目指しているところに体を持って行ったら、何かが見えたり、視界が広がるという成功体験があるからでしょうね。
「まず、やってみましょうよ!試してみましょう!」ってことばっかりやってるんです。だから儲からない(笑)。ようやくその中から花が咲きそうなプロジェクトがいくつか出てきています。
ここに至るには、いろんな人の後押しとか、花を持たせてくださった機会があったからで、今は自分が後押しする側になれたらいいなと思っているんです。自分が満たされてきているからこそ、他人に目を向けられるができた。だからこそ、頑張っている人を成功させたいなって思います。そういう人たちが上手くいく社会があると、幸せな人が増えるんじゃないかなと思っています。
ーー最後に、QUESTIONに期待していることを教えてください。
そうですね、頑張っている人と一緒に成功したいです。そういう仕組みや取り組みづくりをQUESTIONにも手伝ってもらえたら嬉しいです。
それから、京都信用金庫主催イベントの「起業家アワード」って、賞が「会社」に付与されるじゃないですか。それに加えて、「プロジェクト」に付与される枠を作って欲しいなって思います。というのも、色んな会社でプロジェクトワークが増えてきているけれど、複数の会社や個人にまたがったプロジェクトも多いですよね。実際は、他社の人とも一緒にやっているけれど、起業家アワードは個社に与えられるので、せっかくだから関係者皆を褒めてほしいし、メンバー皆を知ってもらうためにもプロジェクト枠も欲しいなって思います。
(取材・文:池内 琴子)
<パートナー概要>
組織名:株式会社 マガザン
Webサイト:https://magasinn.thebase.in/