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【対談】地域×AI。期待値を超え続ける「AIスクール」
いま、生成AIは、業務現場で成果を出すために欠かせないスキルとなっています。そこで、QUESTIONではChatGPTを中心とした生成AIのスキル習熟や、AIチャットボット開発、DX推進につながる“伝わるプレゼン資料”づくりまでを体系的に学習する「AIスクール」を3期に渡り開催しています。
共催であるアンドドット 株式会社からの「地域の企業における生成AIリテラシーを高めるには」という問いから始まった本企画。
「問い」から実施に至るまでの想いを、アンドドット 株式会社 茨木雄太さん・東川宏樹さんにお伺いしました。
左から、QUESTION 山岡、アンドドット 株式会社 茨木さん、アンドドット 株式会社 東川さん
アンドドット 株式会社の事業について(AX:AIトランスフォーメーション)
山岡:
アンドドットさんの事業内容からお伺いしつつ、茨木さん・東川さんそれぞれのご経歴や担当領域、そしてAIスクールの取組みについても深掘りできればと思っています。
特に「なぜ地域の中小企業を対象にしようと思ったのか」「QUESTIONと一緒にやろうと判断したきっかけ」「実際にやってみての手応えや今後やりたいこと」などをお話いただければ嬉しいです。
茨木:
弊社は最近「AXプロデュース」という言い方で事業をまとめて表現しています。AXとはAIトランスフォーメーションのことで、AIを活用して組織自体を変えていく、あるいは「どの業務を自動化し、AIに任せるべきか」を設計する企画部分から、実際の開発、現場の教育まで一気通貫で支援しています。特に教育事業や、生成AI関連のツール開発に力を入れていますね。
直近の特徴としては、顧客の構成が自治体と企業が半々くらいになってきています。自治体領域が伸びていて、自治体出身の人材も採用しながら注力しています。
山岡:
茨木さんのご経歴と、今の担当領域をお伺いできますか?
茨木:
高校時代からエンジニアとして個人でサービスを作ってきました。自分で音楽メディアを立ち上げて開発し、月間100万PVくらいまで伸びた経験があります。
その後はフリーランスとして新規事業の開発を中心に活動し、1社目として受託系の会社を立ち上げました。そこでもAIを活用して開発効率化を進めていたのですが、ChatGPTの登場をきっかけに、よりAIに特化した会社を作りたいと思い、アンドドットを立ち上げました。
今の役割としては、営業やお客様と接する領域全般、代表としての登壇など「会社の顔」として動くことが中心です。トップセールスのような形で動きながら、新しい可能性を見つけていく。人材面でも、優秀な方や顧問的な方を巻き込むために、アンドドットの魅力を伝える役割を担っています。
自分としては常に“0→1”をやっていきたいので、立ち上げて形になったらメンバーに任せて、また次の0→1を探す、という繰り返しですね。
山岡:
続いて東川さんにもお伺いします。
東川:
私は高校生のとき、アフィリエイト(※1)にハマったのがきっかけです。当時はニコニコ動画などのネットコンテンツ黎明期で、PVが伸びてある程度収益が出たので、留学も経験しました。
その後、日本で就職することになり、新卒でMicrosoftのゴールドパートナー認定を持つ企業に入社しました。エンタープライズ企業向けにMicrosoft 365を活用してイントラネットや業務システムをどう作るか、といった領域でマネージャーとして携わっていました。
(※1)アフィリエイト…成果報酬型広告。自身のブログやSNSで企業の商品・サービスを紹介し、購入・申し込みが成立すると報酬が得られる仕組み。
その後は転職・フリーランスを経て、マーケティングやブランディングを中心に活動していました。茨木とは元々知り合いではなかったのですが、1on1で話せるオンラインプラットフォームで出会い、AI分野は今後必ず伸びるから手伝ってほしいと声をかけられて、そこから意気投合して短期間で創業に至りました。
AIスクールをなぜ地域・中小企業へ?
山岡:
AIスクールはどういうきっかけで始まったのでしょう?
茨木:
元々、企業向けのAI研修に力を入れていました。東京の企業向けに個別研修を行ったり、ネットワークを持つ会社と連携して1DAYの研修を実施したりしていました。
しかし、東京以外でも展開したいという話は以前からありました。きっかけの一つは、当社の営業メンバーの出身地など「東京ではない場所でやりたい」という機運が高まっていたことです。
そんな中でコミュニティ・バンク京信さんとお話する機会があり、取引先との関係性が良く、すでにコミュニティができ上がっていると感じました。そこに研修を組み合わせたらもっと面白いことができるのでは、ということでQUESTIONの皆さんに相談し、AIスクールが始まりました。
複数企業が集まる形で、一定期間のプログラムとして組むのは、当社としても初めての挑戦でした。
山岡:
今までの実施回数や、参加企業数の規模感はどのようなものでしょうか?
茨木:
QUESTIONさん以外にも、地域金融機関や民間企業で実施してきました。
参加規模は毎回20〜30名程度が多く、延べで150名ぐらい。スポット研修なども含めればさらに増えます。
山岡:
この座組を信用金庫とやるにあたって、不安はありましたか?
東川:
一番の不安は参加者のAIやPCのリテラシーの幅でした。例えば、参加者が大企業のIT部門などある程度前提の知識が揃っている場合は進めやすいのですが、地域の中小企業が集まる場だと「AIって何ができるの?」という方から、すでに活用されている方まで幅が広い。どこまでカバーできるかは、始まる前の懸念点でした。
茨木:
しかし、京都(QUESTION)の参加者と実際にお会いすると、講座に対する意欲が高いと感じました。横のつながりも強いし、フィードバックも率直で、全体の場で質問も出やすい。
講座が終わった後、「ご飯行きましょう」と自然につながっていたり、参加企業同士で「2社間で社内研修をお願いしたい」といった派生企画が生まれたりもしました。すでにコミュニティがあるからこそ、オープンに学び合う空気があると思います。
茨木:
加えて、山岡さんが場を盛り上げてくれたので、当初の不安要素はなくなりました。金融機関側の担当者が前に出てファシリテーションするケースは多くないのですが、QUESTIONはそこをやってくださるので、進行上も非常に助かっています。
期待値を超える満足度
山岡:
実際にやってみて、期待値は超えられましたか?
茨木:
第1回目の満足度は非常に高く、その後も高い状態を保っています。理由としては、参加者からのフィードバックが具体的で率直なので、改善点が明確になり、次回に反映しやすいからです。
東川:
最初は「成果が見えないものに少なくない参加費を投資する」という判断は簡単ではないので、来てくださった方に対しては徹底的に寄り添ってサポートしよう、という意識で臨みました。PCやWi-Fiの初期設定など基礎的なところから一緒に対応するなど、「最後まで支え切る」を重視しています。
山岡:
第4回もやりたいですね。次回に向けて建設的に一緒に話せるのがありがたいです。他地域だと1回で終わってしまうケースもあると聞きます。
東川:
新しいコンテンツを作るなら、まずはQUESTIONに提案したいと思っています。ファーストペンギンになってくださる存在は大きいです。
山岡:
QUESTIONって、コミュニティ・バンク京信本体と法人を分けておらず、部署として活動しているので、こういった企画を進めていきやすい環境にはありますね。
茨木:
それはすごいことです。他だと法人を分けるケースが多く、情報共有や意思決定のリードタイムが長くなりがちです。
部署で回しているからこそスピードが出る側面はあると思います。
これからの挑戦
茨木:
AIに限らず、その時々のニーズに合ったスクールを企画していきたいです。講師も、必ずしも自社メンバーである必要はなく、現場の課題をヒアリングしてコンテンツを設計し、適切な講師をアサインしていく。そういう幅のある展開をしていきたいです。
また、営業研修のように「短期間でどう案件を獲得してきたか」など、事例ベースで学べるコンテンツにもニーズがあるのでは、と思っています。
東川:
私は、AIスクール修了生(1期・2期・3期)の横のつながりを広げたいです。例えば修了の証のようなノベルティを渡したり、OBが後輩の質問対応に入ったり、縦のつながりができるとコミュニティとして強くなると思います。
茨木:
大学生向けの教育にも取り組もうとしています。インターンとして実務を経験しながらAIやDXを学び、就職にも繋げていくような仕組みを大規模に展開したい。地域の中小企業にとっても戦力になる人材が増えると、採用面でもムーブメントが起きる可能性があります。
山岡:
QUESTIONやコミュニティ・バンク京信とも連携できそうなお話ですね。
ぜひ今後も相談させてください!
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