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  • イベントレポート

2025年度京都モダン建築祭にて、QUESTIONが特別イベントを実施!

2025/12/03

京都にある魅力的なモダン建築を一斉公開するプロジェクトとして、2022年よりスタートした「京都モダン建築祭」。

コミュニティ・バンク京信は、北山支店を本イベントに開放し、QUESTIONの1階をインフォメーションセンターとして活用いただくなど、モダン建築祭に継続的に関わってきました。

そして今回、2025年度京都モダン建築祭では、QUESTIONにて特別イベントを開催しました。

2025年11月8日(土)QUESTIONにて行われたイベントは以下の3つです。

QUESTION館内ガイドツアー

「QUESTIONという建物は一体何なのか?」を知っていただくため、特別イベントの関連企画として、館内のガイドツアーを実施しました。

コミュニティ・バンク京信が大切にしてきた「空間」への想いを交えながら、QUESTIONについて解説し館内を巡りました。

建築好きの方にとどまらず、京都府外からの方、普段からQUESTIONを見かけて気になっていた方なども参加してくださり、質問も多く飛び交う有意義な時間となりました。

トークセッション

「コミュニティ・バンク論をめぐる建築思想ーメタボリズムーと地域の未来を語ろう!」というテーマの元、2部構成のトークセッションが開催されました。

第1部「問いの原点をたどる──コミュニティ・バンク論からQUESTIONへ」

キュレーター/一級建築士の前田 尚武 様、株式会社GK京都 常務取締役の門脇 宏治 様をお迎えし、当庫理事長である榊田と「地域、時代に合わせ姿を変えることができる建物・思想」について語り合いました。

なかでも、会場であるQUESTION4階のCommunity Stepsについて印象的なお話を聞くことができました。Community Stepsは、コミュニティ・バンク京信の『コミュニティ、コミュニケーション、人と人との有機的なつながりを大切にする』という理念が形になった階段状の空間です。QUESTIONの内装設計・デザインに携わった門脇様は、「その理念を形として建設面に落とし込むことが大変だった」と語られました。

他にも、引き出し式の階段案が出ていたことや、館内の広々とした天井の作りなど、設計秘話をたくさん語ってくださいました。

「名建築の条件は魅力が語れること」
参加者の皆さまにも、QUESTION設立までの歴史、空間設計に込められた想いや工夫を感じていただけたのではないでしょうか。

後半では、時代が変わってきたからこその、これからの金融機関についても意見を交わしました。
・人とつながり続けること
・地域目線で考えること
・金融機関として、地域の味方、信頼し続けてもらえる存在であること
・資金の提供という枠を越え、職員一人ひとりが共に寄り添う姿勢を持つこと
高度経済成長期が終わり、複雑で多様化する社会・時代に求められる向き合い方を深め直す時間となりました。

第2部「次世代と会場で描くアップデート──コミュニティ・バンク2.0の可能性を探る」

第2部には、コミュニティ・バンク京信QUESTIONコミュニティマネージャーの新田 廉に加え、株式会社Q’s 取締役の前原 祐作 様、哲学者の谷川 嘉浩 様をお招きしました。

つながりを生み出すコミュニティマネージャーや、食を通してつながりをサポートするQ’s様の視点から、人が出会う場において、対面で集うことのありがたさや重要性から話が始まりました。

そして、建物自体の価値をどう測り未来に繋げていくのか、について語り合いました。はっきり数字で表れる地価などの価値に対し、歴史や建築スタイルなど、建物自体の価値もあります。

様々な建物の、それ自体の価値が評価される仕組みを打ち出していきたい
京町家の価値を見える化し、保存活用につなげるための制度として、「京町家カルテ(※1)」という認証や、当金庫に「活かそう京町家(※2)」というローンが存在するように、いずれモダンな建築様式の価値を加味した「モダン建築ローン」を生み出すこともできるのではないかという夢で盛り上がりました。

(※1)京都市景観・まちづくりセンターが発行する、京都の伝統的な木造住宅である京町家の「基礎情報」「文化情報」「建物情報」「間取図」を一枚のカルテにまとめた資料。所有者が自宅の歴史や建物の状態、文化的価値を正しく把握できるよう設計されており、将来の維持・管理・継承のための“町家の履歴書”として機能している。

(※2)「京町家」を賃貸用または事業用に購入・改修・活用するための資金調達ができるローン。賃貸目的の改修・購入、または事業展開を目的とした利用が対象。原則として、上記の「京町家カルテ」の提出が必要となる。

デジタルバンクの対として、コミュニティ・バンクは存在しているのではないか
・話題をつくりながら皆でまちを良くしていく
・京都の新しい価値を紡いでいく
・残していきたい価値を生み出していきたい

QUESTIONの立地、魅力的な建物の構造に留まらず、内的な意味を語り合いました。このような側面も、形としては見えないけれどQUESTIONの価値だと実感できたとともに、目に見えない価値を測る姿勢を学ぶことができました。

パネル展示

建築家の菊竹清訓 氏が建築に携わったコミュニティ・バンク京信の支店紹介や、支店の一部空間をコミュニティ・スペースとして地域へ開放してきた機能を引き継ぐQUESTIONの詳しい説明などを展示し、コミュニティ・バンクの歴史に触れることができる空間を7階に作り上げました。

トークセッションの参加者も足を運んでくださり、トークの内容をより深く落とし込んでいただくきっかけになったのではないでしょうか。たくさんの方にお越しいただくことができました。

※GK設計様よりご提供いただいたQUESTIONの建築模型

コミュニティ・バンク京信は、1971年に「コミュニティ・バンク論」を提唱し、50年以上前から、金融面だけでなくまちの文化発展や地域の皆さまのお役に立てることに価値を置いてきました。
今回のイベントを通じて、「コミュニティ・バンク京信がなぜ建築やまちの文化に関わるのか?」「なぜQUESTIONという建物が存在しているのか?」という問いに対し、参加者の皆さまと一緒に答えを見つけることができたと感じています。

ご参加、ご来館いただいた皆様、ありがとうございました!

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