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2020年11月、コロナ禍の真っ只中にQUESTIONはオープンしました。あれから5年。
QUESTIONは、地元の事業者や大学、学生、フリーランスだけではなく、全国各地から多様な方々が気軽に訪れる場になりつつあります。
皆様に育ててもらった5年の感謝を伝えながら、「これまで」「いま」「これから」を共に考え、明日の一歩が変わる機会になればと思い、2025年11月5日・6日にQUESTION5周年イベントを開催しました。本記事では、2日間をダイジェストでご紹介します。
5周年イベントは、QUESTIONで働く12名のコミュニティマネージャーが中心となって企画運営。「25年後の未来を考える」をテーマに、基調講演に加えて、コミュニティマネージャー一人ひとりの興味関心から様々なイベントやトークセッションを開催しました。
5周年記念トーク QUESTIONの“今”と“これから”
5周年のメインイベントは、コミュニティ・バンク京信の理事長である榊󠄀田隆之を含めての記念トークセッションです。
モデレーターは、現QUESTION館長の平野哲広と初代QUESTION館長の森下容子が担当。そして、コアパートナーとして開設前から共に歩んできた株式会社ツナグムから田村篤史さん、NPO法人グローカル人材開発センターの山田埜さんをゲストにお迎えし、総勢5名でのセッションになりました。

平野(左)、森下(中央)、榊󠄀田(右)
それぞれの視点から5年を振り返っての率直な感想や、5年前に思い描いていたQUESTIONの未来と今との距離、そして25年後に描く社会の姿などを語り合い、これまでの歩みを確かめながら、これからの一歩を考えました。

満員御礼!別の階でパブリックビューイングを開催するほどの盛況ぶりだった
まだまだ何をしているビルなのかわからないと言われるQUESTION。物事を変えるには時間がかかるものです。これからも、訪れた一人ひとりに「QUESTIONらしさ」を体験してもらうことが5年後につながっていくのではないかと希望を語りあい、セッションを終えました。

田村さん(中央)、山田さん(右)
<レポート記事は近日公開!>
共創型と共助型のつなぎ手像から考える「間をつなぐ仕事のこれから」
コミュニティマネージャー石津亮の発案で、コアパートナーの株式会社ツナグム/株式会社Q’sの田村篤史が進行したのは、コミュニティマネージャーなら誰しも気になるであろう「つなぐ」「間に立つ」といった仕事のこれからを考える時間です。

ゲストは、QUESTIONの立ち上げにも関わった株式会社SALTの鎌苅竜也さん、ゆう薬局グループの船戸一晴さん
人と人、人や組織など間をつなぐ役割を担う人々には、出番をつくる「共創型」のつなぎ手と、居場所をつくる「共助型」のつなぎ手がいるのではないかとした上で、ゲストそれぞれの視点からつなぎ手の仕事のこれからを語り合いました。

今回、全てのイベントにグラフィックレコーディングを採用。語られた内容を可視化した
2050年、わたしと家族の未来地図~人生会議で考えるこれからの暮らし~
コミュニティマネージャー大隅美沙は、「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」をテーマにしたトークセッションを開催しました。

ゲストは、QUESTION初期からの会員である司法書士福村事務所の福村雄一さん(左)、合同会社WOWの橋本千恵さん(右)。QUESTION立ち上げ時に3名でイベントをしたことがあり、5年ぶりに同メンバーでの登壇となった
“2050年、25年後の未来をどう迎えるか”という問いは、一見遠い話のようでいて、“今の生き方”そのものにつながっています。家族で人生会議(ACP)の機会を設け、自分自身が「こうありたい」という姿を家族に伝える大切さ、繰り返し話し合うことの重要性を、福祉・法律・金融の視点から伝えました。
トークセッションの後は、グループに分かれて人生の最期にどう在りたいかを考える「もしバナゲーム」を実践。もし自分に残された時間が限られていたら、どんなことを大切にしたいかを、カードに出された言葉に答えながら、価値観や想いを分かち合いました。

参加者からは「これからは家族と少しずつ話していきたい」「自分の大切にしたいことを言葉にしたい」という声も上がった
ごみゼロ2050 〜未来を変える小さな一歩〜
一般社団法人エシカル協会のコンシェルジュとしてエシカルについて勉強中のコミュニティマネージャー伊東莉加子が企画したのは、2050年に向けた「ごみとの向き合い方」を深く考えるイベント。身近な「ごみ問題」をテーマに、これからの社会で私たちができることを考えました。

ゲストにゼロ・ウェイストの暮らしを続ける徳島県上勝町から木佐貫拓眞さん(左)、京都でサステナブルな取組を推進している河村翔さん(右)をお迎えした
トークセッションでは、ゲストそれぞれから徳島県上勝町と京都市のゴミに関する取組事例を紹介。ワークショップでは、「ごみゼロ2025年の京都のまちで、みんなが豊かな暮らしをどう作れるか?」をテーマに、参加者同士が未来を語り合いました。
「地域単位でほしい人に渡る社会をつくりたいから、いらないものご自由にBOXを各地に置きたい」「地域に優しいコワーキングスペースを作るために、利用する人たちの意識を高めたい」「人に興味を持つこと、誰かのことを思うことが豊かな暮らしにつながるのではないか」など様々な意見が出て、時間が経つのを忘れるほどの盛り上がりを見せました。
待ったなしのゴミ問題ですが、人が動くには「面白さ」や「カジュアルさ」が大切です。25年後の希望ある未来へ、QUESTIONではポジティブにゴミ問題に取り組んでいきたいと思います。
2050年のゲームは誰のもの?
コミュニティマネージャーの山岡亮太郎が企画したのはエンタメブース。AIの進化によって、誰もがゲーム作りに関わることができるようになりつつある時代に、「インディーゲーム」と「アナログゲーム」の試遊展示を通じて“いま”の面白さを体験し、トークセッションを通じて“未来に残したいゲームの姿”を模索しました。

多数のインディー&アナログゲームタイトルが出展し、約30名の方が試遊した。開発者に感想を伝えるシーンもあり、遊び手と作り手のコミュニケーションが生まれる場になった
トークセッションでは、25年前のゲームの話から25年後の未来まで楽しくトークを展開。
「遊び」だからこそ、ゲームが人々が集まる場やツールになりうること、そして、遊び手と作り手という境界を越えてコミュニティ化が進んでいくのではないかと話が盛り上がりました。

ゲストは京都を代表するインディーゲーム開発会社のroom6木村征史さん(左)、大阪でアナログゲームの制作支援をする大興印刷の成尾恒一郎さん(右)
ちょっと早めのお忘年会 in 2025 お坊さんと振り返る5年間でやり残したことお焚き上げNIGHT!
コミュニティマネージャーの伊藤佳奈子が企画したのは、5年間でやり残したことをお坊さんと共にお焚き上げする時間。かつてQUESTIONで開催されたイベント「お忘年会 in QUESTION お坊さんと振り返る2020年にやり残したことお焚き上げNIGHT」が復活です。

ゲストは、神社仏閣オンラインの河村英昌さん、光月院住職の林雅清さん、PORTBACKの樗木勇人さん、SHINAの科田小太郎さん
参加者にお焚き上げしたいことを自由にホワイトボードに書いてもらうと、「結婚できない」「もっとちゃんと勉強したらよかった」「職場の人間関係に悩み続けてしまった」「頑張り切れなかった」「転職に踏み切れなかった」など、参加者の様々なやり残したことが集まりました。
それらを踏まえ、お焚き上げトークでは、やり残したことや悔しかったこと、そしてどうしたかったか?を中心に、参加者のお焚き上げしたことを一つずつ解いていきました。
最後は供養の時間。般若心経の意味を教えてもらった後、参加者のみなさんとお経を唱えました。ものごとを前に進めるばかりでなく、先に進むためにときには立ち止まって来し方行く末を振り返る機会も大事だと感じられた時間でした。
クローズアップ TOI
QUESTIONと言えば「問い」。「QUESTION POST」では、皆様から様々な問いを受け付けています。今回5周年を記念して、これまで関わってくださったみなさんの「今の問い」を集めました!集まった問いに、「問いのデザイン」著者の塩瀬隆之さんと立ち上げ時にQUESTION副館長として勤務し、現在は北野支店の支店長である津田郁太がお答えしました。

津田(左)、塩瀬さん(右)。会場参加に加え、FacebookLiveでも配信した
「あなたの領域で、次の10年を少しでも前に進めるために、いま投げかけたい“問い”は?」という津田さんの問いかけに対して、集まった問いの数は50!
「あなたは誰を応援したいですか?誰から応援されたいですか?」「どうすれば人と自然の分断のないまちにできるのだろう?」「なぜ酒は存在し続けるのか?」「AIが発達する社会で、学校で育むべきことは?」「企業の成長は本当に善なのか?」など、教育、伝統工芸、医療、製造、デザイン、IT、飲食、不動産、農業、行政など様々な方が問いを持ち込まれました。二人は真剣に、時に面白い返答で、会場を盛り上げました。
当日の様子はQUESTIONのFacebookページからご視聴いただけます。
https://www.facebook.com/share/v/19qsZBwzLT/
地域の未来を一緒につくろう!~想像が創造に変わる街、河原町~
コミュニティマネージャーの横山里世子が企画したのは、QUESTIONがある河原町エリアをより豊かな街にするための仲間を募るワークショップです。

司会進行はコミュニティ・バンク京信 河原町支店の北澤と、コミュニティマネージャーの横山が務めた
2025年10月から、コミュニティ・バンク京信河原町支店で「理想の河原町」をテーマに地域の声を集めていました。当日は、それを元に、参加者の事業を活用して解決できる方法を検討しました。

「理想の河原町像」を集めた桜の木。「福祉」「環境」「伝統」「教育」をテーマに記入してもらった
「子どもたちに地域企業や街の魅力を知ってもらうためのイベントを開催してはどうか」「御池通より北の地域にもっと観光客を呼び込むために、マップアプリを活用してみてはどうか」「子育て世代が暮らしやすい環境や設備を、行政とタッグを組んで作ってみてはどうか」など様々なアイデアが飛び交い、活発な意見交換が行われました。この場で出たアイデアをもとに、コミュニティ・バンク京信は実現に向けてプロジェクトを組成していく予定です。
2050年の金融論×デザイン論~銀行員やデザイナーは必要なのか?~
本イベントを企画したのは、コミュニティマネージャー早川兼人。コミュニティバンク・京信では1ヶ月取引先で働く研修制度があり、約5年前、早川は有限会社セメントプロデュースデザインでデザイン経営を学んだことがあります。そのご縁から、2022年度から商品開発講座 「ANSWER」を開講しています。今回、取締役の三嶋貴若さんと、デザインと金融について語りました。

左)早川、右)三嶋さん
金融とデザインの歴史を振り返り、これまでの金融機関は決算書を見て、融資の有無を決定していたが、これからの時代はデザイン経営の思考を取り入れ、文化醸成と価値創造の両輪を伸ばし、自社の想いやらしさを育む人格形成をしていくことが大切だと述べました。
金融業は資金提供者から価値提供者へ、デザインは「見た目」から「経営・社会課題解決の戦略」へと変わり、双方が協業することで地域に創造的経済圏が生まれるのではないかとまとめました。
学生×社会人交流会 ジェネコネ QUESTION5周年スペシャル
「ジェネコネ」は「ジェネレーション」を「コネクト」するイベント。学生も社会人も利用するQUESTIONで、世代や肩書きにとらわれず、もっと気軽に、もっとフラットにつながる場を作りたい!という想いから始まり、QUESTION・グローカル人材開発センター共催の人気イベントに成長しました。
QUESTION5周年スペシャルとして開催する今回のテーマは「2050年の教育×◯◯」。未来の教育が豊かになれば、豊かな教育を受けた若者が、社会をもっと豊かにしていけるはず——。そんな思いから、誰もが肩を並べて「じぶんごと」として教育について語れるよう、企画しました。
当日は学生・社会人20名以上が集まり、「科目」「AI」「先生」「評価」の4テーマに分かれてダイアローグを通して、対話を深めていきました。

進行は、コミュニティマネージャーの伊東莉加子と、グローカルセンター インターン生の溝川彩夏さんが務めた
「自分にあった職業を見つけられる授業や、AIにはないエラー力を活かしたしょうもないものをつくる授業があったら面白いのでは?」「自分の人生を豊かにするのが成績表なのではないか。だから自分で振り返って自分で評価するのはどうか」などの意見が出たダイアローグ。学生も社会人も垣根なく未来の教育を自由に語り合った姿が印象的でした。

真剣に議論しながらも、笑顔が絶えない和やかな空間だった
ジェネコネ初参加だった学生からは「色々な視点から物事を見られた!」、社会人からは「学生と一緒の目線で考えられた」「どんな先生が苦手かなど学生のリアルな声が聞けてありがたい」といった声がありました。
今後も2ヶ月に一回のペースで「ジェネコネ」を開催予定ですので、気になるテーマがあればぜひご参加ください。
▼「ジェネコネ」の情報はここからチェック!
https://note.com/glocalcenter/m/mf6a40a92c24a
Re:MIX〜青空休憩スポット〜
2日間に渡って、コミュニティマネージャーの新田廉が企画したのは、屋上を舞台にした音楽とトークの“青空休憩スポット”「Re:MIX」。弾き語りやDJなどで盛り上げ、クッションに持たれてくつろぎながらのんびり楽しむ空間になりました。
両日14〜15時にはゲストをお迎えし、5日は「2050年の文化と経営」、6日は「AI時代の感性とは」をテーマにトークセッションを開催。青空のもとで、未来を考える時間になりました。

5日のゲストは一般社団法人光と音・環境文化研究院の里中勝司さん(左)、株式会社LiveALifeの山田秀人さん(右)。6日のゲストは株式会社TBWA HAKUHODOの田貝雅和さん、株式会社カタルシスの山本周雅さんだった
おとなのタイムカプセル〜未来の自分を輝かせるための缶詰づくり〜
コミュニティマネージャーの嘉田良子が企画したのは未来を考える「おとなのタイムカプセル」。今の自分を振り返って、今後なりたい自分を想像し、実現するために「今やるべきこと」「今出会いたい人」を考えて、形にするプロセスを楽しんでいただきました。
なりたい自分を想像して、何年後かへのメッセージを書いて、缶詰に入れます。缶詰の外側にラベルシールを貼ったり、色を塗ったりして自分だけのオリジナル缶詰が完成!2日間で約60名の方々がワークショップに取り組み、未来の自分にメッセージを届けました。

開封のタイミングは参加者にお任せ。「会っておきたい人」「やりたいこと」などを書いている参加者が多かった
QUESTION 5周年 大交流会
そして1日の締めくくりは、大交流会!両日共に100名を超える方々が集まり、出会いや再会を喜び合いました。

榊󠄀田隆之理事長の乾杯でスタート!これまでQUESTIONで参加したイベントの思い出話もしながら、親睦を深めた
DAIDOKOROではこれまでの5年で1000件以上のみんなで食を囲む場をつくってきました。過去5年でつながった方々の料理や食材を使って、二日間で40種類以上のオリジナルメニューを提供し、訪れた皆様の関係性を始める・深めるきっかけに華を添えました。

料理のフォーマットには二傳の「mozaiQ(モザイク)」を採用。mozaiQはコロナ禍にQUESTIONに持ち込まれた相談から生まれたプラットフォームで、7寸のぞき(21センチ四方の器)に入った各店自慢の味をモザイク模様のように自由に組み合わせて、自分だけの一食を作ることができる
大交流会や各イベント終わりには、1階の「CAFE BAR HIROBA」に立ち寄り、ドリンク片手に会話を楽しむ姿もたくさん見られました。
また、1階は2日間に渡ってコーヒー&インフォメーションスタンドとしてオープンし、コミュニティマネージャーの本田葵が、1日店長を担当。ご来館の皆さま同士での交流や、コンテンツや館内の紹介をする案内所になり、QUESTIONを訪れる皆様をお迎え・お見送りしました。つながる・新しい何かを見つけるひと時になっていたら嬉しいです!

コミュニティマネージャー本田(左)
様々な方々のご協力によって、QUESTIONは5周年を迎えることができました。2日間を通して、多くの方と一緒に喜びを分かち合えたこと、関係者一同、心から嬉しく思います。
人と人の関係を紡ぎ、イノベーションを起こすことは、すぐ成果としては現れません。しかし、これからもQUESTIONが目指す「豊かな森のような社会」の実現に向かって、コミュニティを作りながら中期的に育んでいきたいと思います。
「豊かな森のような社会」の実現は、QUESTIONだけではなく、皆様方のお力添えが必要です。今後ともQUESTIONをよろしくお願いします。
▼5周年に合わせてビジョンブックを制作しました!積み重ねてきた5年間を振り返りながら、これから描いていく未来をまとめました。QUESTIONにお越しの際はぜひお手に取ってください。
▼全セッションのトーク内容をグラフィックでご覧いただけます。
Graphic Recording Gallery
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