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今回は、京都を代表するフレンチレストランMOTOÏのシェフ 前田元さんとQUESTIONが取り組んだ新商品開発プロジェクトについて、QUESTIONコミュニティマネージャーの早川兼人が綴ります。
前田さんと僕との出会い
2023年秋口のとある日のこと。 19時頃、QUESTION1階のバー「河原町御池南東1F」に怪しげな色のソースを手に持った少しコワモテの方が……ちょっと怖かったのでスッと帰ろうとしていると、バーの店長の前原くんが僕を呼び止めました。
「早川さん! 商品開発の相談なのでちょっと来てください!」
そのとき、僕が前原くんに抱いた複雑な感情は言うまでもありません。 しかし、恐る恐る振り返ると、その方はなんと京都で有名なミシュラン一つ星のフレンチレストランのシェフ、前田元さんだったのです。
今回のプロジェクトは、そんな偶然の出会いで始まったのです。
前田元さんとは?
前田元さんは、10年連続でミシュランガイドに掲載されているフレンチレストラン「MOTOÏ」のオーナーシェフです。
京都と料理とサーフィンをこよなく愛するナイスガイ。(僕は人柄に惚れています) レストランの評価はもちろんのこと、ご自身でプロデュースした餃子専門店「モトイギョーザ」も好評を博しているシェフです。
そんな前田さんがなぜ商品開発を?
「有名レストランのシェフで、モトイギョーザも順調なのに、なぜ商品開発が必要なんですか?」と質問したところ、前田さんからこんな答えが。
「飲食業界の労働環境が悪いと言われるのが嫌なんです。週休2日は絶対、できれば週休3日を実現させたい。そのためには店舗以外での売上が必要だと思って商品開発を考えています。従業員には余暇を活用して自己研鑽や家族との時間など、様々な経験をしてもらいたいと思っているんです」
真っ当な理由すぎます。じゃあ、なぜフレンチの次が餃子なんですか?
「毎日朝早く仕入れに出かけ、営業後に自宅に帰るのは深夜。休みの日しか娘に会うことができません。もっと娘に会いたい、もっと娘の笑顔を見たい……と悩んだ結果、娘が大好きな餃子を作ろうと考えました。仕事が終わって家に帰ってから試作を繰り返し、なんとか納得ができる餃子が完成しました。夜中に作って冷凍庫で保存し、翌日に妻が焼いて娘に出したら、娘は大喜びでパパの餃子を食べてくれました。顔を合わせることはできなくても、私から娘へ、餃子にたくさんの想いを込めて伝えることができました。そうした想いもあって『モトイシェフのパパ餃子』とネーミングして販売したんです」
「パパ餃⼦」の販売を開始したところ瞬く間に⼤⼈気商品となり、「モトイギョーザ」のオープンへと繋がりました。
なんていい話なんだ。僕は涙が出そうでした。
怪しげなソースの正体は魔法のソースだった
そのとき前田さんが持っていた怪しげなソースの正体は、シェフ特製のゆずサルサソースでした。 この調味料は、前田さんが吟味した材料を使い、添加物も一切不使用。餃子だけでなくどんな料理でも合う魔法のようなホットソースです。 ミシュランを獲得したレストランだけでなく、モトイギョーザという店舗を展開している前田シェフ。そこで使用する餃子のタレとして開発した調味料が非常に好評であり、お客様から商品化を希望する声が多くあったことから商品開発を決断されました。
柚子サルサソースの当初デザイン
このプロダクトは、MOTOÏさんの売上を伸ばすだけでなく、従業員やそのご家族、また手に取った方が笑顔になる素晴らしいものになると確信しました。
僕は「とにかくできることは全てお手伝いします!」と約束をして、今後のプロモーションプランや販売計画、商品コンセプトなどを伺い、来年以降リリースしましょう!という話になりました。
ありそうでなかったこのホットソースの販路開拓やプロモーションについて、中編でお届けします!
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