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自社商品のパッケージデザインをお願いしたい!
プロジェクトのスタート
株式会社 東京セロレーベルの星野さんがQUESTIONの見学に来られたことがきっかけで、今回のプロジェクトがスタートしました。学生のためのフロア「Students Lab」にやってくる学生会員の中には、QUESTIONの会員から寄せられた「問い」を解決すべく、一緒にサポートしてくれる仲間がいることを伝えたところ、星野さんより、現役の学生さんの感性をぜひ取り入れてみたいという相談を受けました。
東京セロレーベルはコーティング、ラミネート、スリット、抜き加工などあらゆるニーズに対応可能な加工技術を有し、製品開発から受託加工まで幅広い要望に対応している京都の企業です。印刷・フィルム加工メーカーとして培ってきた技術を生かしながら、常に新しい加工技術にチャレンジし、世の中にない製品を生み出しています。
今回は、一般に「紙管留めテープ」と呼ばれている、両面粘着テープの箱のデザインを依頼されました。
従来のケースは東京セロレーベルの自社ブランド製品の「テアロープン」のケースを参考にデザインしたものでしたが、以前より、産学連携に興味があり、何かの機会でコラボレーションできないか?との想いを持っておられました。
パッケージデザインは「新たな風を」というテーマでした。
京都芸術大学の学生を紹介
今回、東京セロレーベルにはQUESTIONの学生会員で京都芸術大学 情報デザイン学科 ビジュアルコミュニケーションデザインコースの太田 茉那さんをご紹介しました。
太田さんは過去にもQUESTION会員のORIOBIさまの商品パッケージの提案や1階チャレンジスペースにてイベントを行う際、チラシのデザインを担当したり、QUESTIONとの関わりの多い学生さんでした。
太田さんが東京セロレーベルのパッケージに対する想いをヒアリングしたところ、同社からパッケージのデザインには「新たな風を」というテーマで考えて欲しいとの要望がありました。そのため、太田さんは5名程度の学生にデザインを考えてもらい、コンペにてパッケージデザインを選択するのはどうか、と提案してくれました。
その後、太田さんの声かけで同じクラスの学生が4名加わり、計5名の学生が11個のデザインを提案してくれました。
コンペの開催
後日、QUESTIONの7階にてコンペを開催しました。学生が提案した11個のパッケージデザインはタイトルとコンセプトも添えられているプロ顔負けの素晴らしいものばかりでした。
どのデザインも甲乙つけがたいものばかりでしたが、選ばれたのは濱野ひかりさんの「Conneect」でした。
細い直線と円を使った繊細で対業者むけでありつつも硬すぎないポップなデザインに仕上げました。細いラインを使いこのテープの特徴である薄さを表現し、円と直線の繋がったデザインが箱をひと目見ただけで中にテープが入っていることを連想させるようにデザインしました。色合いは東京セロレーベルのブランドカラーの青を取り入れ、青と白のみで製作しました。紙管用とプラコア用どちらも基本デザインは変えず統一させ、色を反転させたもので分かりやすく、商品の取り違いが軽減される様になっています。
採用されたデザイン
初回のコンセプトデザインから一部デザインが変更となりました。
コンペ以降、濱野さんと東京セロレーベルはデザインの度重なる修正を繰り返してきました。そして遂に2022年1月に完成し、同月26日から同社が出展する展示会(東京ビックサイト)にてお披露目することができました。
プロジェクトを通して
東京セロレーベルからは、「学生と連携してプロジェクトに取り組み、自社だけでは生み出せないアイデアに触れることができて刺激を受けた。今後の事業の参考にもなる」との感想をいただきました。
学生からは、「コンペは学内でも定期的に行われているが、企業相手に実際の商品に関わるコンペを経験し、自分のデザインがどういった評価を受けるのかを知ることができていい経験になった」とのことでした。
今回のプロジェクトは、企業にとっては地域の学生のポテンシャルを知り新たな刺激を受けるきっかけに、学生にとっては企業の現場で自分の腕を試せる貴重な機会となりました。
このプロジェクトにかかわったメンバー
京都芸術大学
情報デザイン学科
ビジュアルコミュニケーションデザインコース
太田茉那、大谷郁実、土田鴻介、濱野ひかり、山本拓真
このプロジェクトにかかわったコミュニティマネージャー
高木 祥亘