ARTICLES
記事
まちの人・まちの課題に向き合うプログラム「まちとかかわる学校」(後半)
2022年11月から2023年3月までの約4か月に渡り、京都信用金庫、一般社団法人京都知恵産業創造の森(以下、KOIN)、京都リサーチパーク株式会社(以下、KRP)の3社共催で開催された学びのプログラム「まちとかかわる学校」のレポートをお届けします!
気付きや学びが多く生まれた本プログラムのレポートを前半・後半に分けてお伝えしていきます。是非ご覧ください!
前半記事はこちらから
④2/13(月)14:30-17:00 3限 「領域を横断した生態系を育むチームづくり」
4回目の講師は建築集団「々(ノマ)」の野崎将太さんでした。
テーマは「領域を横断した生態系を育むチームづくり」。現在、野崎さんはA HAMLETという亀岡、大井町並河にある集落再生プロジェクトに参加されています。
今回の講義では特に以下の言葉が印象に残りました。
・結果に執着せず、過程に信頼を置く
・人のまねをしない工夫と努力をする
・人におもしろいと思ってもらう、面白そうと思ったことはすぐにやる(継続的に)
・チームで熱量もって取組める材料を探す
また、ワークではこれまで考えてきた自身のVISIONやVISIONを実現するための関係性整理の内容について深掘り、解剖しました。
毎回、レクチャー後にワークをすることで、より理解も深まり考え方を見直すことができました。ワークについてはこれまで個人や同じ部署の参加者と相談しながら進めてきましたが、今回の講義の前後にはランダムに分かれたチームで集まり、意見交換しながら行ったこともあり、多様な考えに触れることで全体的にワークの質が徐々に上がっているように感じました。
▽A HAMLET
https://a-hamlet.com
ワークの内容は、
●VISION
・ビジョンの目的と手段を明確に(もし混ざっていたら)
・理想の拠点ができた先の未来に目指すこと
・コミュニティができた時に生み出したい(目指したい)状況を考えてみよう!
●関係性整理
・新たに必要だと思った関係性や巻き込みたい、関わりたい人
・各関係性のグループや人に対して、自分はどんな役割や関わり方なのかを追記
以下についてそれぞれワークシートについて書き出して、チームで意見交換を行いました
⑤3/16(木)14:30-17:00 閉校式「まちとかかわる新しいパブリック」
最終回は、「まちとかかわる新しいパブリック」をテーマにプログラムの学校長、株式会社まめくらし代表取締役 青木純さんにレクチャーを行っていただきました。
▽青豆ハウス
https://mamekurashi.com/aomamehouse/about/
住む人と集まる人が一緒に育てる共同住宅「青豆ハウス」。
・効率化ではなく、収益性でもなく、必要なものをつくりたい。
・便利な場所とか、使える場所ではなく、育つ場所。いろんな人の記憶に残る場所。
・入居者全員でピザ窯を作るもご近所からクレーム。それでやめてしまうのではなく、より美味しいピザを作ってご近所さんに提供してみよう!という発想の転換。
・大事に育てている花壇にゴミが捨てられる問題に対して柵をたてれば簡単に解決できるが、解決策が禁止ではなく、気づきやメッセージを伝えるアクションを起こすことで、手間はかかっても、コミュニケーションが図られ、散歩コースになり、お手紙が届く。そういった関係性に時間を割く。
・コミュニティマネージャーとは、街の湯加減を見る人(番台的な役割)
・対価はお金でなくてもよい。体験は共有されれば、継続される。
・みんなのためのものは、結果誰のためのものでもない、少数派の大賛成を目指す。
・実現したいと思い描いた未来は、自分のアクションで小さく始まり、仲間が大きく育ててくれる。
青木さんのお話は、発想の転換でコミュニティや場をつくるという理想の事例でした。
ワークでは、「プロジェクトとチームの具体化」というテーマで自身で考えた後、チームで意見交換をしました。ワークではチームのメンバーが毎回ランダムに変わるので、様々な考えや違う施設の意見も聞くことができ、非常に有意義な時間となりました。
番外編(1)
梅小路エリアの訪問
参加者でもある、梅小路QUESTIONの米丸さんの声掛けから、梅小路QUESTIONの訪問及び交流会と梅小路散策が行われました。当日は1限の講師でもある京都R不動産の水口さんも参加いただき、KYOTO MAKERS GARAGE、梅小路公園のコンポストの取組について見学と散策をしました。
番外編(2)
M’scafe訪問
(株)エムズコーポレーションではM’scafeというオープンスペースを社内に作られたことから参加者の硲さんよりお声掛けがあり、KRPの杉山さん、柴田さんが訪問され、参加者同士の交流が深まりました。
番外編(3)
チーム間でのワーク
3限と4限の間には3限でランダムに作られたチーム間で自主的に集まり、ワーク(宿題)の共同作業がQUESTIONや膳所支店などで行われました。
全プログラムを終えての気付き(参加者の声)
・様々なジャンルのゲストの考え方を聞くことができ、また参加者同士の意見交換や共有の時間が毎回あったことから違った価値観や考えを聞くことができとても刺激がありました。
・「楽しむこと」という言葉は、前から色んな人から言われてきましたが、余裕もなく仕事は仕事と割り切ってました。しかし、学校で色んな方の話を聞いていると価値観が変わりました。
・自分が楽しむこと、一人で抱えないことが重要であると腹落ちできました。
・色々な価値観に触れ自分の見識を広めることは当然に必要であるが、それ以上に自分の軸を大切にすることを学びました。
・どういう場所にしたいかというVISIONから、その実現のための関係者を整理していくことを学びました。