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まちの人・まちの課題に向き合うプログラム「まちとかかわる学校」(前半)
2022年11月から2023年3月までの約4か月に渡り、京都信用金庫、一般社団法人京都知恵産業創造の森(以下、KOIN)、京都リサーチパーク株式会社(以下、KRP)の3社共催で開催された学びのプログラム「まちとかかわる学校」のレポートをお届けします!
気付きや学びが多く生まれた本プログラムのレポートを前半・後半に分けてお伝えしていきます。是非ご覧ください!
まちとかかわる学校とは?
「まちの人・まちの課題」に向き合い、地域のコミュニティマネージャーの役割を学び、コミュニティの考え方や多様な事業・仕組みのあり方、プロジェクトの作り方などを学ぶ全5回のプログラムです。京都信用金庫、KOIN、KRPの3社が共催で、企画協力を株式会社まめくらしが務めました。
今回のプログラムでは株式会社まめくらしの青木純さん、宮田サラさんに毎回多様なジャンルの講師をお招きいただきレクチャー・トークセッションを行い、参加者が今後のビジョンやアクションを考えていくワークを行いました。
▽まめくらしWEBサイト
https://mamekurashi.com/
参加者は合計で22名。今回のプログラムを主催している京都信用金庫、KOIN、KRPで実際にコミュニティ(場)の運営をしている方々のほか、京都市、京都府など行政をはじめ、主に京都の地域企業をサポートされている公認会計士(兼税理士)や、地域企業にお勤めの方、オープンスペースの運営をされている、地域でイベントを企画されている方、場づくりに興味のある方など多業種の方が参加されました。
(京都信用金庫からはQUESTION5名、膳所支店2名、QUESTION梅小路1名の計8名の職員が参加)
①11/28(月)14:30-17:00 開講式「場の価値を高めるくらしの自治」
開校式では、株式会社まめくらし宮田サラさんより「場の価値を高める暮らしの自治」について高円寺アパートメントや池袋地区活性化PJなど事例を交えながらレクチャーいただきました。レクチャーでは、住人とコミュニティマネージャーという役割をはっきり分けるのではなく、グラデーションのある関わり方で自治を育てるというお話や属人性により競争優位性を高め、その結果「共創優位性」を高めていけるというお話が印象的でした。
その後のワークでは、参加者それぞれの
1.地域や事業の課題
2.1の課題解決のために得られたヒント
3.ヒントをもとに出来るアクション
4.3のアクションによって、実現したいビジョン
について考え、共有をしました。
改めて自身が向き合っている地域や事業のことを整理し、参加者一人ひとりがビジョンを考える機会となりました。普段は自分が所属している企業や、運営する施設だけに目を向けがちですが、こういった共有の場で他の施設の考えや外部の方が感じていることを聞くことができ、良いきっかけとなりました。
最後にそれぞれが描く、VISIONについてシートを作成しました。
開校式の後には、QUESTIONの8F「DAIDOKORO」でCo-cookingでタコス作りを行い、講師、参加者メンバーが交流を図りました。
②12/19(月)14:30-17:00 1限目「主役となる人と場を育てるくらしづくり」
2回目となる1限は、参加者でもある知恵産業創造の森が運営する「KOIN」にて開催しました。ゲストは梅小路QUESTIONとも関係の深い京都R不動産の水口貴之さんと山田荘の山田春江さん。
水口さんのお話ではWill(やりたいこと)、Can(できること)、Must(しないといけないこと)この3つが重なる部分が大きいほどやる気がおこるということが一番印象に残りました。
思い通りにできた方が断然楽しい、使えるものはフルに使って想い通りにやりたいことをやることが水口さんのポリシーというお話は、会社から言われたからではなく、自分自身として何がしたいのかを参加者の皆さんが考えるきっかけとなりました。
山田さんのお話では元々母親が経営していた山田荘というアパートを新しいスタイルのコミュニティが生まれるアパート(場)に変えたことや場所×住人×大家が織りなすコラボレーションな日々の様子をお話いただきました。
レクチャー後のトークセッションでは、自分の居心地の良いところで場を作ることよりも不完全の場(もの)に身を置いて、鍛えていくことがコミュニティマネージャーへの一歩となり、突然のエラーやトラブルが起きた時に力を発揮する、とお2人がおっしゃっていたことが印象的でした。
ワークでは初回に設定した「ビジョンを実現するための関係性を構築するにはどうすべきか?」というテーマについて自分(を含めた)と取り巻く環境にある関係者を書き出し、その役割について、チームに分かれ対話をしながらお互いにフィードバックをし合い、その後各チームで話したことを代表の方が全体に発表しました。
▽京都R不動産
https://www.realkyotoestate.jp/
▽山田荘
https://kansai.hituji.jp/comret/info/kyoto/kyoto/yamadasou
③1/13(金)14:30-17:00 2限「日常に登場人物を増やし共創する福祉」
3回目となる2限は、「KRP」にて開催しました。ゲストは株式会社Happy代表取締役の首藤義敬さんで、運営されている不動産業をもとにレクチャーいただきました。
同社は、家の紹介だけでなく仕事やコミュニティ等を紹介しお困り事を解決するおせっかい不動産で、自身の育児と介護のダブルケアを抱えた経験から多世代型介護付きシェアハウス「はっぴーの家ろっけん」を設立されました。
「100人に名刺を渡すより3人友達を作る」、「どんな相談でも友達からの相談なら自分の管轄内外関係なしに話を聞いて解決するのと同じことを事業としてしているだけ」等考えを改める話がたくさんありましたが、「正しい正しくないではなく、その選択がハッピーか」という言葉が特に印象に残りました。何をするにも自分の中に軸があると、選択に迷ってもぶれずにやりたいことができると再認識しました。
ワークでは「自身のビジョンを更に深める」というテーマで本プログラムを受ける前と現在で変化はあったか?なぜ変化したのか?などを深掘りし、ビジョンとして記入しているワードが表す意味やワードへの意味づけをより具体的にイメージする時間を丁寧につくりました。それぞれのビジョンを発表する時には、他の参加者からの良いと感じた部分やもっとこうしたら良くなりそうという意見を送ることで、送られる側は自分が考えたビジョンの他者からの見え方を可視化し、送る側は自分のビジョンと連携してできそうなことや、自分の事業でも参考になることをより深く考える仕掛けとなっていました。